F1日本グランプリ 負けないで!カムバック! ビアンキ
私の趣味のひとつにF1観戦がある。
以前は、モータスポーツ全般を観戦していたが、今は時間の都合F1だけになった。
で、楽しみにしているGPに日本グランプリがある。
鈴鹿サーキットで毎年開催されるのだが、50年前のサーキットながらドライバーたちに根強い人気のあるサーキットなのだ。
今年も10月3~5日の3日間開催された。
晴天を望んでいたのだが、運悪く台風が接近。金、土曜日はなんとか雨だけは降らなかったのだが、決勝の日曜日は雨のウェットコンディションになってしまった。
1994年の雨の鈴鹿以来、実に20年ぶりのウェット決勝レースとなった。
決勝レース前にベッテルのレッドブルチームの離脱の発表があったり、セーフティーカー(SC)スタートになったり、2位のハミルトンがトップのロズベルグをぶち抜いてトップになったり、他にもいたるところで雨のバトルが展開され見どころのある鈴鹿グランプリとなったんだ。
しかし、レース終盤にそんなことはすべて吹っ飛ぶような大事故が発生した。
マルシャのビアンキがクラッシュして意識不明の状態になった。
視聴者側には何の情報もなく、カオスになった。
以下、私が覚えている言を書いておく。
レース序盤に赤旗中断後は、雨も小止みになりラップタイムも更新して路面コンディションは幾分良くなってきていた。
しかし、レースも終盤にさしかかり再び雨が強くなりだした。
各チームは、タイヤ交換の選択に迫られた。
そんな中の42週目、ザウバーのスーティルがダンロップ先でコースアウトしタイヤバリアに激突。
コースは黄旗状態に。鈴鹿のコースマーシャルがすぐさま対応に走る映像が流れる。
私の見たところSCは多分出ないようなクラッシュだった。
鈴鹿のマーシャルはモナコや他のサーキットと同じぐらい優秀なのだ。
解説陣も同じ見解だった模様。
で、周回は43週目に入り、再び事故現場が映る。
が、なにかおかしい。画面のテロップはビアンキと表示されているし、マーシャルが何か手を振ったり、大きくバツ印を手で作ってアピールしている。
視ている方は何がなんだか分からない。
その後、ザウバーのピットが映し出される。
ピットクルーが神妙な顔でなにか話ている。
この時の川井さんは「ああ、また残業だね。仕事が増えた」と話しているのですかね。などとコメントしていた。
次に、マルシャのピットが映し出された。
マルシャのピットはお通夜状態でピットクルーが青ざめていた。
え、一体何が起きたの? というのが私の感想。
LT(タイミンモニタ)を見てみると、たしかにビアンキは止まっている表示になってる。
そして、SCの表示。
ピットレーンからSCともう1台出てきた。それは、メディカルカーだった。
ここで、少し解説すると、メディカルカーとは大事故が起きた時にドライバーが自力で脱出できないとか、動かすのが危険なときに医師を載せて現場に急行するサーキット内の救急車のこと。
ここで、なぜ今になってSC出たの?と思ったのが率直な感想で、メディカルカーがSCを追い抜いて猛スピードで現場に向かうのを見て、「なにか大変なことが起きた」と直感した次第。
この時、無線でスーティルは無事だと聞いていたので状況がよくつかめない。
放送席側も情報がなくて混乱していて、川井さんの一つの可能性として感電事故をあげていた。
スーティルは無事だと無線で報告した後に感電したのではないかという推測だった。
私が思ったのは、マーシャルか誰かが感電したのではないか?だった。
なぜ、車で感電するのか?詳しくない方に少し説明しますと、
今年からF1のレギュレーション(規格のようなもの)が変わり、回生パワーを大きく扱い、従来のガソリンエンジンを縮小する方向に変更されました。
簡単にいえば、究極のハイブリッドカーが今年のF1マシンで、ブレーキの回生に加え、エンジン排気でタービン回すターボ機構を利用してそれも回生して電気に変えバッテリーに蓄電して、モーターで加速する方法をとっています。
去年までも、カーズというブレーキ回生システムがあったのですが、今年はそれよりもっと多くの回生エネルギーを扱うようになりました。それ故に、バッテリーなども大型化し電圧も高くなります。
そして、F1マシンのボディはカーボン製で、電気を通しやすいのです。ですので、不用意に車に触れると感電する恐れがあります。
高電圧なので最悪、心肺停止し死亡する可能性もあります。
で、ドライバーの頭の上に穴が開いてますが、その辺りにランプが付いており、車を触ってもOKな時はグリーン、それ以外はレッドのランプが付きます。
というわけで、不慣れなマーシャルがいて不用意に車に触れて感電した?と思ったわけだ。
しかし、そうするとSC前にマルシャのピットのお通夜状態が腑に落ちない。ビアンキが止まっているけど何の情報もないのがおかしい。
こんな時は、掲示板なり、Twitterの情報が早い。なにせ鈴鹿なので、現地組が何か情報をアップしているかもしれないと思ったわけだ。
で、実況スレを覗いてみると裏は取れない不確定だけど、
スーティルのマシンを撤去中の重機にビアンキが突っ込んだという情報があった。
ホントかどうかわからないが、それならあの状況も頷ける。
さらに、悪いことに重機の下に滑りこむ形になって頭部にダメージが有り非常に危険な状態とあった。
通りで、事故シーンをリプレイで流さないわけだ。
普通なら、ドライバーが無事ならリプレイを何回も流すのだが、生死に関わるなら規制がかかるのだ。
これが本当の事なら、20年前を思い出す。あの嫌な記憶が頭をよぎった。
そう、セナの事故死……。
あれをリアルタイムで経験した私は、鬱になった。
二度とあんな思いはしたくないのに、それもよりによって鈴鹿で起こるとは。
そんな思いでいっぱいになった。もうレース結果なんか全て忘れてしまった。せめて、一命だけはとりとめて欲しい。そう思うのだった。
その後、続報を待つが、一向に続報が入ってこない。
ビアンキの父親が、フランスのメディアにコメントしたと続報を知ったのは日付が変わる頃。
手術を終え、ICUに移ったが24時間断たないとなんとも言えない状態だとか。ただ、自発呼吸はしているようなので、まだ望みはあるようだ。
なんとしても、助かって欲しいし、F1にも復帰して欲しい。
今年は、小林可夢偉の直接的なライバルだし、才能豊かないずれはフェラーリをドライブするとまで言われているので心からエールを送りたい。
負けるなビアンキ!
カムバックビアンキ!
レース開始直後の赤旗で、ヘルメットを自分で拭いていたビアンキがとても印象深い。
あれが、〇〇フラグだったなんて思いたくない。
最後に、掲示板などで心もとない書き込みをしている方がいるが、本当に人間として恥ずかしと思う。
人の生死に関わることに対して、あのような書き込みはいかがなものか。
ものすごく不愉快になるので内容も書きたくないし、コピペもしない。興味があるなら検索したらよかろう。
それと、この事故に乗じて、いろいろ批判をされる人もいます。運営側の批判、鈴鹿サーキットに対する批判等々。
でもね、レースを面白くしたくて、可能限り安全にしたくて日夜努力している人もいるんだよ。
今回の件で、マーシャルが悪いとか書いている奴がいた。
現場の人達は本当に一所懸命にやってるんだよ。お前は何様だと思っているの?言いたいです。
今回、F1の興行と経済のテーマで記事にしようと考えていたのですが、そんなことは吹っ飛んでしまいました。
機会があればそのテーマでいずれ、また。